庭やアプローチの雑草を防ぐのに便利な防草シートには、キレイに敷くためのコツがあります。
「庭に防草シートを敷いてみたい」
「効率よく効果を出すにはどんな敷き方をすればいいの?」
という方はぜひご覧ください。
防草シートの素材や特徴、耐久年数
防草シートには素材や織り方にいくつもの種類があり、それぞれ特徴や耐用年数が異なります。
雑草の生えにくさや価格が異なりますので、費用対効果を考えて選んでみてはいかがでしょうか。
防草シートには布のように織った「織布」と繊維同士を特殊な製法で結合させる「不織布」の二種類があります。
それぞれの特徴はこちらです。
シートの製造方法 | 特徴 |
不織布 | 強度が均一で経年劣化による隙間が出来にくい。 水はけがよく遮光性が高い。 価格が高めで引っ張り強度に弱い。 |
織布 | 安価で引っ張り強度が強い。 ほつれると穴が広がりやすく突き抜ける植物もある。 |
雑草が生えるのをなるべく防ぎたいという方は不織布タイプを、なるべく費用をかけずに広い場所に敷きたいという方には織布タイプをおすすめします。
次にシートの素材と耐用年数を見ていきましょう。
シートの素材 | 耐久年数 | 特徴 |
ポリプロピレン不織布 | 10年前後 | 耐久性や雑草抑制効果が高く熱や紫外線に強い。 透水性も高く降雨後の水たまりができにくい。 |
ポリエステル不織布 | 15年前後 | 耐水性・耐候性・耐腐食性に優れている。 遮光性が高く4mm厚あり雑草が生えにくい。 |
他にもポリエチレンやポリ乳酸が使用されていますが、多くの場合ポリプロピレンとポリエステル製です。
より雑草の成長を抑えたい方は「遮光率99%以上」という機能の防草シートを選んでください。
シートを敷く前に
防草シートをキレイに敷くには、前準備が大切です。
草刈り
防草シートを敷く場所の雑草は、あらかじめきれいに取り除いてください。
雑草が残っているままでシートを敷くとデコボコしたり隙間ができやすくなったり、雑草が生えやすい環境を作ってしまいます。
草刈は機械や鎌などを使うほか、除草剤を使うという方法もあります。
枯れた雑草や取り除いた雑草はそのままにせず、キレイに片づけておきましょう。
尖った物を除去
雑草を全て取り除いたら、尖った石などをできるだけ取り除いてください。
地面に尖った石などが残ったままだとシートが破れてしまう原因になります。
シートを敷く際にも固定するピンが上手く地面に刺さらない、シートが平らにならないなどのトラブルが発生します。
土地の凹凸を平らに整地
尖った石などをキレイに取り除いたら、レーキや竹ぼうきなどを使って地面のデコボコを平らに整地しましょう。
凹んだ部分があれば、砂などを足して均して下さい。
土がフカフカしている場合は、足で踏み固めて土を締めるのがポイントです。
地面をできるだけ平らにすることで、シートと地面の間に隙間ができずきれいに敷くことができます。
防草シートを美しく敷くには、下準備をどの位丁寧にやったのかが重要となります。
シートの敷き方
それでは実際にシートを敷く作業に入りましょう。
防草シートを敷く時に準備するアイテム
防草シートを敷く際には、必ず必要な材料や持っていると便利なアイテムがいくつかあります。
- 防草シート…耐用年数や雑草抑制効果、価格などを考慮して決める。
- シート押え用ピン…地面の状況に応じたピンを広さに合った数を準備。
- メジャー…シートを敷く場所の長さを計るのに使う。
- 防草シート用テープ…複数のシートを貼る合わせる際に使う。通常のガムテープよりも粘着力が高くコンクリートにも接着可能。
- ハサミ・カッター…防草シートをカットする時に使用。
- ハンマー…シートを固定するピンを打ち込む時に使う。
- レーキ…シートを敷く前に使い地面を整地する。
- 軍手…手の保護が必要。
固定ピンの選び方
防草シートを地面に固定するピンにはいくつかの形があり、地面の状況や地域によって選ぶようにしましょう。
- L型ピン…硬い地面にしっかり打ち込める
- J型ピン…強風などによるめくれに強い
- U型ピン…柔らかい地面で固定できる
固定ピンにはプラスチック製や鉄製などの種類がありますが、中でも鉄製がおすすめです。
鉄は水分などでサビやすい性質ですが、そのサビによって支持力が増して強風が吹いても抜けにくくなるというメリットがあります。
仮置き
ピンやテープで固定する前に、まずは仮置きをしてサイズの確認をして下さい。
転がす、少しずつ広げる
防草シートを購入すると、表面が上にくるようにロール状に梱包されています。
地面に置いたらそれを転がしながら敷いていきましょう。
一度に広げ過ぎてしまうと風にあおられて固定するのが難しくなるので、なるべく狭い範囲を少しずつ広げるのがポイントです。
2枚以上重ねて施工する際には、壁側からやった方が仕上がりがキレイになります。
シートが重なるように
広い範囲にシートを敷く場合、シート同士が重なるように敷くと良いでしょう。
重なり幅は10㎝が目安で、重なり部分は接着剤やテープを使って貼り合わせてください。
こうすることでシートの隙間から種や虫が入り込んで、雑草が生えるのを防ぎます。
また壁ギリギリまでシートを敷く場合は、端にピッタリ合わせてカットするよりも少し長めにした方が壁と地面との間に隙間ができにくくなります。
シートの固定
コツがいくつか分かったところで、実際に防草シートを固定していきましょう。
位置を決める
防草シートを敷く範囲が広い場合、横に並べるように敷いていきます。
シート同士のつなぎ目から植物の種などが入ってこないよう、重なり部分は10㎝以上作るようにしてください。
シートをカットする際には、ズレやヨレがないか確認してからにしましょう。
障害物がある場合
防草シートを敷く場所に電柱や雨水桝などの障害物がある場合は、シートに切り込みを入れたり、その部分だけくり抜いたりしてください。
なるべく地面が露出しないよう、丁寧に作業することが大切です。
くぼみなどがあり、そのままだとシートが浮いてしまう場合は、固定ピンを集中的に打ち込むことをおすすめします。
ピンでしっかりと固定
固定ピンは防草シートの上からハンマーなどを使ってしっかりと打ち込んでいきます。
ピンの頭が突き出ていると、シートに隙間が出来たりズレたりする原因になるため、最後まで打ってください。
ピン同士の間隔は25~50㎝ごと、1㎡当たり4本が目安です。
シートの周囲だけでなく内側も升目状に打ち込んでいきます。
この時は周囲の間隔よりも広めの50~100㎝ごとにします。
シートの重なり部分の処理
シートが重なった部分にもピンを打ち込んでいきます。
つなぎ目部分には専用テープを貼っていきます。
打ち込んだピンの頭にもテープを貼ると、ピンの周りに隙間ができるのを防げます。
この時シートの表面に砂や水が付いたままだと、テープの粘着力を発揮できませんので、表面をキレイにふき取ってから貼るようにしてください。
防草効果を高めるためのポイント
防草シートを貼った後、さらに防草効果を高めるにはポイントがあります。
砂利敷き
防草シートの上に砂利を敷くと、雑草がほとんど生えなくなるのでおすすめです。
砂利を敷くことで防草シートのめくれや外れを防いでくれるだけでなく、踏みしめると音が鳴る砂利を使って防犯効果を高めることもできます。
また防草シートが露出しないことで、紫外線や風による劣化も防いでくれます。
砂利はシートが見えなくなる位の3~5㎝程の厚みが目安です。
駐車場の砂利下に敷く場合の注意
駐車場の場所へ砂利を敷く場合、使用する砂利の形や敷き方に注意が必要です。
重い車のタイヤが乗る駐車場へは、細かい砂利や形の丸い砂利を敷くと走行しずらくなります。
なるべくゴツゴツした形の砕石や、細かい砂などが混じったクラッシャーランを使用するようにしましょう。
さらに砂利を敷いた後にローラーなどで圧力をかけて転圧すると、車が走りやすくなります。
人工芝
防草シートを敷いた場所にグリーンが欲しい時は人工芝を敷いてみては?
最近では本物そっくりの人工芝が多く販売されていますので、見た目にも違和感がありません。
また紫外線が地面に届きにくくなるため、雑草が伸びるのを防いでくれます。
広い面積に敷きたい時は業者に相談
庭の広い範囲に防草シートを敷きたい、下準備やシートを敷く作業が大変という方は、業者に相談してみましょう。
業者では施工前の草刈りから均し、防草シートの施工まですべて行ってくれます。
もちろん作業にも慣れていますので、仕上がりも美しくなります。
防草シートの施工後のメンテナンスや補修のやり方
防草シートを敷いた後や施工中に、何らかの原因でシートに破れや穴が開いた場合はなるべく早めに応急処置をして下さい。
施工中に穴が開いたり、破れた場合
施工中、ピンの打ち間違いやミスでシートに穴を開けてしまった場合は、専用テープを使って補修が必要になります。
穴よりも大きめにテープをカットして、穴に貼っていきます。
定期的な手入れ
防草シートを敷いた後のメンテナンスも重要です。
防草シートの寿命を伸ばすためにも、なるべくこまめにお手入れをして下さい。
- シートの隙間から雑草が生えてきた…除草後にシートでふさぐ
- 風でめくれ上がった…固定ピンを刺す箇所を増やす、石をシートの上に乗せる
- シートの上に砂や土が流れ込んだ…傷つけないように取り除くか水で洗い流す
- シートの下が盛り上がっている…一度シートを外して地下茎で伸びる雑草が繁殖していないかチェック。除草後にシートを張り直す。
まとめ
防草シートは織り方や材質によって様々な種類がありますので、価格や敷く場所に応じて選んでください。
キレイに敷くには下準備が重要です。
鉄製の固定ピンを使って適切な箇所で留めるようにしましょう。
上に砂利や人工芝を敷くと防草効果が一層アップするのでおすすめです。